ランニングパワー入門|心拍・ペースとの違いと活用術
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近年、ランニング界で注目を集めている指標が「ランニングパワー」です。
心拍数でもなく、ペースでもない。
今どれだけの力で走っているかを数値化する指標がランニングパワーです。
- パワーって自転車だけの指標じゃないの?ランニングでも本当に使えるの?
- 心拍数やペースと何が違うの?どれを基準にすればいいの?
- 結局どうやって練習に活かせば速くなれるの?
そんな疑問を持つ方も多いでしょう。
本記事では、
- ランニングパワーで何が分かるのか
- 心拍・ペースとの違い
- 練習への具体的な活用方法
- 初心者が失敗しない使い方
を分かりやすく解説します。
「なんとなく走る」から「データで賢く走る」へ。
ランニングパワーを理解すると、トレーニングの質が一段階上がります。
目次
- ランニングパワーとは何か
- ペース・心拍数との違い
- ランニングパワーで何が分かるのか
- 練習にどう活かす?基本の使い方
- メリット・デメリット
- どんな人におすすめ?
- パワーと心拍はどちらを使うべき?
- マラソン本番での活用戦略
- フォーム改善にも使える
- 1週間のパワー活用トレーニング例
- よくある失敗と誤解
- 上級者向け:W/kgで考える
- サブ3・サブ4を目指す出力の考え方
- StrydとGarminの違い
- よくある質問Q&A
- まとめ
ランニングパワー対応!迷ったらこのガーミン3選
- Forerunner 970:ラン向け機能を最優先で選ぶならこれ。ランニングパワーを含む指標で練習を作り込みやすい。
- Forerunner 570:「初めてパワー運用に入る」「コスパ良く強度管理したい」なら最適な中核モデル。
- fēnix 8 Sapphire AMOLED:ランだけでなく登山・トレイル・普段使いまで全部まとめたい人向け。ランニングパワーの設定や風の考慮なども用意されている。
ランニングパワーとは何か
ランニングパワーの基本を、まずはシンプルに押さえます。
ランニングパワー=走るための出力(W)
ランニングパワーとは、走るために発揮している力(出力)をワット(W)で数値化したものです。
自転車ではパワーメーターが一般的ですが、現在はランニングでも「推定」または「専用デバイス」で計測できるようになっています。
計測方法は大きく3パターン
同じ「パワー」でも、どこで算出しているかが違います。
- Garmin(ウォッチ側で算出):対応ウォッチでは手首ベースの「ランニングパワー」を表示できます。機種や構成によっては、外部センサー(HRM系やRunning Dynamics Podなど)と組み合わせて記録する運用もあります。
- Garmin+ランニングダイナミクス:Running Dynamics PodやHRM系で上下動・接地時間などのフォーム指標も一緒に見やすくします。パワーの“精度を上げる”というより、フォーム分析の補助として効きます。
- Strydなどのフットポッド:フットポッド側でパワーを算出します。パワー中心の運用(CPやゾーン管理)まで一体で回しやすいのが特徴です。
※Garminの対応条件や表示可否はモデルやアップデートで変わるため、導入時は「自分の機種でパワーが表示できるか」を必ず確認してください。
パワーは何をもとに推定される?
一般にランニングパワーは、速度、勾配(高度)、体重などをベースに「努力量」を推定します。
加味される要素は方式で差があり、フォーム系データや風(空気抵抗)を扱う設計のものもあります。
ただし、どの要素をどう扱うかは機種や方式で変わります。
まずは「同じ環境・同じ装備で比較するほど価値が出る指標」として理解しておきましょう。
ペース・心拍数との違い
パワーが便利と言われる理由は「外乱」と「遅れ」に強いからです。
ペースとの違い
ペース(分/km)は分かりやすい指標です。
ただし、風や坂、路面の影響でブレやすい面があります。
一方、パワーは「今どれだけ出しているか」という努力量の目安を揃えやすいのが強みです。
- 向かい風:ペースは落ちやすいが、努力量は同じことがある。
- 上り坂:ペースは遅くても、負荷は高くなりやすい。
「ペースが変わっても、狙う強度を守りやすい」。
これがパワーの価値です。
心拍数との違い
心拍数は身体の反応です。
ただし、反応に遅れがあり、暑さや疲労、睡眠、脱水などの影響も受けます。
一方パワーは、比較的リアルタイムに強度を捉えやすい傾向があります。
インターバルや坂ダッシュのような高強度では、心拍よりもパワーのほうが「今の強度」を合わせやすい場面があります。
ランニングパワーで何が分かるのか
ここからが「使えるポイント」です。
① 努力量の目安がそろう
坂や風でペースが揺れても、「今日はこの強度で走る」を守りやすくなります。
例として、
- 平地:5:00/km → ある程度のW
- 上り:5:30/km → ペースは落ちてもWは近い
のように、ペースだけでは見えにくい負荷を揃えるイメージです。
② 効率(ランニングエコノミー)の変化が見える
同じペースでも必要なパワーが下がっていれば、より効率的に走れている可能性があります。
フォーム改善や体力の伸びを、別角度で確認できます。
③ CP(Critical Power)相当の基準でゾーン設計しやすい
多くのパワー運用では、基準となる「閾値」的なパワーを置いて、そこからゾーンを作ります。
この基準をCP(Critical Power)と呼ぶことがあります。
CPは「疲労の支配的な要因が切り替わる閾値」と説明されることが多く、ゾーンやレース強度の基準として使われます。
ただし、算出方法や更新ロジックはサービスやデバイスで差があります。
本記事では「ゾーン設計の基準値(CP相当)」として扱います。
練習にどう活かす?基本の使い方
ここからが本題です。
まずは自分の基準値(CP相当)を把握する
方法は大きく2つです。
方法① 自動算出(おすすめ)
Strydなどは、日々の走行データから基準値(Critical Power)を推定・更新する運用が中心です。
「テストが苦手」「頻繁に更新したい」人ほど向いています。
方法② テスト走(目安として)
「1回のテストで基準を置きたい」場合は、各サービスやデバイスが案内するテスト手順に従うのが基本です。
ネットでよく見る「20分全力×0.95」のような計算は、20分テスト由来の閾値推定(CP20/FTP系)として使われる例です。
ただしCPの厳密な定義や算出手順と一致しない場合があるため、「簡易推定の一例」として扱うのが安全です。
ゾーンを設定する
基準値(CP相当)が決まったら、次はゾーンです。
ゾーンはデバイスや流派で境界が変わります。
ここではイメージを掴むために、ざっくりの考え方で示します。
ゾーンのイメージ
- Z1:回復(疲労を抜く)
- Z2:有酸素(土台づくり)
- Z3:テンポ〜マラソン寄り(持久力の底上げ)
- Z4:閾値(CP付近)
- Z5:高強度(VO2max付近)
「ゾーンで強度を揃える」ことが、パワー運用の最大のメリットです。
練習別の活用例
ここはそのまま実践に直結します。
ジョグ
「今日はEペース」のつもりでも、調子が良い日に上げすぎることは多いです。
パワーでZ2上限を超えないようにすると、ジョグの目的(回復・土台作り)を守れます。
マラソンペース走
目標レース強度をパワーで固定します。
風や坂でペースが変わっても、出力一定で押すイメージです。
後半の失速を防ぎやすくなります。
インターバル
例:400m×10のような練習は、心拍が追いつきにくいです。
「設定W付近を狙う」ことで、1本ごとの強度がブレにくくなります。
ランニングパワーのメリット・デメリット
導入前に、良い面と注意点をセットで理解しておきましょう。
メリット
- 環境(風・坂)でペースが乱れても、強度を揃えやすい
- 比較的リアルタイムに強度を見やすい
- レースのペース配分が安定しやすい
- データで成長の変化を追いやすい
デメリット
- 数値に慣れるまで時間がかかる
- 計測方式や環境でブレることがある(推定値である場合が多い)
- 体重更新やセンサー管理など、運用の手間が増える
どんな人におすすめ?
向いている人の特徴は分かりやすいです。
- サブ3〜サブ4を目指して練習を体系化したい人
- ペース配分が苦手で、前半に突っ込みやすい人
- 坂が多いコースや風の強い環境で走る人
- データ分析が好きで、改善点を見つけたい人
初心者でも使えます。
ただし「感覚(主観的運動強度)」も同時に育てることが重要です。
パワーと心拍はどちらを使うべき?
結論から言うと、併用がベストです。
パワー=強度管理(アクセル)
パワーは「今どれだけ出しているか」を見やすい指標です。
- インターバル
- LT走
- レース序盤の抑え
など、瞬時の強度管理で力を発揮します。
心拍=疲労管理(エンジンの回転数)
心拍は「身体の状態」を反映しやすいです。
- 同じWなのに心拍が高い → 疲労・暑さ・回復不足の可能性
- 同じWでも心拍が安定 → 余裕がある可能性
パワーで狙いを作り、心拍で無理を止める。
この組み合わせが故障予防にもつながります。
マラソン本番での活用戦略
フルマラソン最大の失敗は「前半オーバーペース」です。
序盤は抑えるために使う
スタート直後は興奮で出力が上がりやすいです。
目標レース強度が260Wなら、最初の5kmは255W前後に抑える。
ペースではなく、出力で抑えるのがポイントです。
坂で差がつく
坂でペースを維持しようとすると破綻しやすいです。
上りはペースを落として、パワーを一定に保つ。
これだけで後半の脚が残りやすくなります。
終盤の判断材料になる
30km以降、
- パワーが落ちているのに心拍が高い → エネルギー不足や消耗が進んでいる可能性
- パワー維持+心拍安定 → まだ押せる可能性
客観的に状況判断しやすくなります。
フォーム改善にも使える
ランニングパワーは、フォーム改善の“結果”を見やすくします。
同じペースで低パワー=効率向上のサイン
例えば5:00/kmで、
- 改善前:260W
- 改善後:245W
のように下がれば、効率が上がっている可能性があります。
上下動・接地時間などとセットで見る
Garminのランニングダイナミクス(上下動、接地時間、ピッチなど)を一緒に見ると、改善ポイントが見つけやすいです。
無駄な上下動が減ると、同じパワーでスピードが出やすくなることがあります。
1週間のパワー活用トレーニング例
ここでは「強度のブレを減らす」ための例を書きます。
数値はあくまで目安で、疲労や体調に応じて調整してください。
- 月:回復ジョグ Z1〜Z2(上げすぎない)40分
- 火:インターバル 400m×8(Z5付近を狙う)
- 水:休養
- 木:LT走 20分(Z4付近)
- 金:ジョグ Z2
- 土:ロング走 90分 前半Z2/後半Z3
- 日:休養または軽いジョグ
パワーを基準にすると、練習の「狙い」が明確になります。
よくある失敗と誤解
便利な一方で、ハマりがちな落とし穴もあります。
数値に振り回される
脚が重いのに「設定Wに届かない」と無理をする。
これは故障リスクが上がります。
パワーは目安です。
RPE(主観強度)や違和感も同時に優先してください。
体重を更新していない
パワーは体重の影響を受けます。
体重が変わったのに更新していないと、W/kgの解釈がズレます。
基準値(CP相当)を更新していない
成長すると基準値も変わります。
定期的に見直し、ゾーンを更新しましょう。
装備や方式をコロコロ変えて比較してしまう
ウォッチ推定とフットポッド算出では、数値の傾向が変わることがあります。
同じ指標で伸びを追うなら、「同じ装備・同じ設定」で比較するのが基本です。
上級者向け:W/kgで考える
上級者ほど、絶対値よりW/kg(体重あたり出力)を重視します。
例
- 280W / 70kg = 4.0W/kg
- 280W / 60kg = 4.6W/kg
ヒルレースでは特に指標になりやすいです。
ただし、W/kgも「計測方式」「風や路面」「フォーム変化」で揺れます。
短期の上下に一喜一憂せず、同条件での傾向を見るのがコツです。
サブ3・サブ4を目指す出力の考え方
ここは誤解が生まれやすいので、最初に大事な注意点を置きます。
注意:W/kgや「CPの○%」は個人差が大きい
W/kgや「レース強度=CPの○%」は便利な目安です。
ただし、計測方式(Garmin推定かStrydか)やコース条件、エコノミーの差で大きく変わります。
可能なら、過去レースやロング走のデータから「この強度なら最後まで押せた」を基準に微調整してください。
サブ4(3時間30分〜4時間)の考え方
目安としては、
- レース強度は「CP相当の下側で安定」させる
- 序盤は抑えめに入って後半の落ち幅を減らす
が王道です。
数値に落とすなら「CP相当の85〜92%あたり」を使う人が多いですが、暑さやコースで簡単にズレます。
まずはロング走後半で再現できる強度を採用してください。
サブ3(3時間切り)の考え方
サブ3は「後半も出力を落とさない設計」がすべてです。
目安としては、
- レース強度は「CP相当の高め寄りで安定」させる
- 坂で無理にペースを守らず、パワーを守る
が重要です。
数値の目安は「CP相当の88〜93%」などが語られますが、ここも個人差が大きいです。
過去の30km走やハーフの強度から、現実的に維持できる出力へ落とし込むのが安全です。
StrydとGarminの違い
最後に「どっちがいい?」のかを整理したいと思います。
Stryd(フットポッド)
特徴
- パワー中心の運用(CP・ゾーン・レース設計)を回しやすい
- 日々の走行データから基準値(CP)を更新していく思想が強い
- モデルによっては風(空気抵抗)を扱う設計がある
データで走りを作り込みたい人向けです。
Garmin(対応ウォッチ中心)
特徴
- 対応機種ならウォッチでランニングパワーを表示できる
- 心拍、睡眠、VO2maxなど総合管理と相性が良い
- まずは試してみたい人に入りやすい
ただし、パワーの表示可否や機能はモデルで差があります。
「自分の機種がパワー表示に対応しているか」を確認してから運用を組むのが失敗しにくいです。
結論
- データを極めたい/パワー中心で設計したい:Stryd
- まず試したい/生活・睡眠も含めて総合管理したい:Garmin(対応機種)
よくある質問Q&A
Q1:初心者でも必要?
必須ではありません。
まずは習慣化とフォーム作りが優先です。
ただ、ジョグの上げすぎ防止には役立つので「使い方次第」です。
Q2:心拍計があれば十分?
平地中心なら十分なケースも多いです。
坂や風が多い環境では、パワーが便利になりやすいです。
Q3:トラック練習でも意味ある?
あります。
インターバルの強度を揃えやすいのがメリットです。
Q4:パワーが安定しない
GPS誤差、フォームの変化、計測方式の違いなどが影響します。
短期の上下に一喜一憂せず、同条件での長期平均や傾向で判断しましょう。
Q5:風の強い日はどうする?
ペースは乱れやすいので、パワーの「上限」を決めて走るのが有効です。
ただし、風の扱いは方式で差が出ます。
同じ装備・同じ設定で比較するほど判断が安定します。
まとめ
ランニングパワーは、努力量をWで見える化して、強度を揃えやすくする指標です。
- ペースが乱れても、狙う強度を守りやすい
- 心拍よりリアルタイムに強度を合わせやすい場面がある
- ゾーン運用で練習の目的がブレにくくなる
- 数値は目安なので、RPEや体調と併用が大事
- 比較は「同じ装備・同じ設定」でやるほど精度が上がる
心拍でもペースでもなく、「出力」という新しい視点。
データを味方につければ、走りは確実に進化します。
まずは自分に合ったデバイスで、強度を「見える化」するところから始めてみてください。
パワーという新しい軸が加わるだけで、あなたのトレーニングは確実に一段階上がります。
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